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GFB(つくばロックフェス)15年目について

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「GFB -つくばロックフェス-」が、今年 15 周年を迎えるという。

開催当初。このフェスが15 年という歴史を刻み続けて⾏くことになるとは、誰も予想していなかっただろう。それは、主催者である伊⾹賀守⾃⾝もきっとそうだったろうと思う。いや、もしかしたら、このフェスをはじめた時から、彼⾃⾝、⼒尽きるまで、命果てるまで、絶対に開催し続けてやるという思いを秘めていたのかも知れない。どうなのだろうか…。聞いてみてもいいのだが、きっといつものように真意を⾔わずにはぐらかれそうなのでやめておきます…。振り返れば、2009 年当時。既に「ロックフェス」というものの存在はあらゆる形で⼤衆に受け⼊れられていた。「FUJIROCK FESTIVAL」や「Summer Sonic」などの所謂「洋楽ロックフェス」成功の歴史を受け継ぎ、邦楽ロックアーティストを主体とした「ROCK IN JAPAN FES」「COUNTDOWN JAPAN」「RISING SUN ROCK FESTIVAL」などのフェスが開催されて、年々巨⼤化し、⾳楽ファン、いや、それ以外の⼤衆に向けても、ひとつのエンターテインメント、カルチャーとしても認知され、「フェス⽂化」というものが無くてはならないものになっていたその傍らで、各地⽅でDIY 精神に溢れる地域勃興型のフェスも複数開催されるようになった時期でもあり。「ロックフェス」のニーズが年々増幅する中、フェス⾃体の多様性や意味・意義が問われていた時期でもあった。

そこで、だ。伊⾹賀守という男が、
2009 年に「GFB -つくばロックフェス-」を開催すると宣⾔した。 

彼との出会いは、2009 年から数年前。第⼀印象は⽊訥かつ寡黙で真⾯⽬な印象。そんな彼が独りっきりで何もかもを⼿掛けて、ロックフェスをオーガナイズするということを⾔い出したので、個⼈的にかなり衝撃を受けた記憶がある。「何を⽬指す?」「何のために?」と。もしかしたらその当時、この問いを彼に投げかけていたかも知れないが、直接その答えを貰ったことはこの15 年経った今でも記憶にない。いや、あったかも知れないが、⾔葉で語る薄っぺらいものよりも、彼の秘めたる想いを肌で感じることで、「どうやら何か本気にロックフェスに挑んでいるぞ」という気概を感じることが出来た。それは今でも変わらない。そんな彼から、DJ の出演交渉を受けて、⼀つ返事で快諾し、出演決定。それからなんだかんだいいながら、14 年の間。この「GFB -つくばロックフェス-」は開催され続けて、僕も14 年間連続して出演を続けている。

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2009年GFBの様子

「GFB -つくばロックフェス-」第1 回は、つくばの「ゆかりの森」という場所で、野外フェスでありながらもアクセスの良い環境で、ステージも1 つだけ。キャパも今の半分くらいだろうか。規模的にもそう⼤きくはなかった。しかし、いざ開催を迎えると、第1 回にも関わらず出演アーティスト、オーディエンス、みんなの⼀体感たるや、想像を超えるものとなった。何故か。その根底にあるのは、「僕らのフェス」という想いの集結が成せた技なのではないだろうか。茨城の男が茨城でロックフェスを開催するという地元愛に溢れるフェス。スタッフや出店ブースのみんなも主催者の伊⾹賀の思いに同調し、ともに⾳楽の場を創り上げようという意志を燃やし続けていた。出演者もみんな新たな歴史を刻むであろうこのフェスに最⼤限のパフォーマンスを繰り広げてくれた奇跡。⾊んな要素が第1 回から絶妙に絡み合って⼤団円を迎えた記憶が鮮明に蘇る。そんな成功体験が彼と周りのみんなの魂を掻き⽴てて、2013 年まで「ゆかりの森」での開催が続き、2014 年に現在の開催場所である茨城県⽯岡市のつくばねオートキャンプ場に移ることとなる。

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​2013年ゆかりの森(前会場)

ロックフェスだけではなく、どんなイベントも、どんな集合体も、巨⼤化すると個の主体性や個の⼤切な思いがぼやけてくる。⼤多数の思いが溢れると⼀⼈⼀⼈の楽しみや思いが散漫となり、⼀⼈⼀⼈の満⾜感というものが標準化・均⼀化されて、⾳楽を楽しむ⽅向性もぼやけてくるものだが、「GFB -つくばロックフェス-」に関してはそうはならないのだ。それは単純にキャパを⼤きくしないからということでもあるのだが、そうする理由が断固として伊⾹賀の中の決めごととして⼀貫して存在しているからである。

こちら に主催者の⾔葉に全てが描かれている。

これが全てなので、僕が⾊々と主観⼊りまくりの⻑⽂を書くことも無いのかも知れないと今更ながら思ってしまった。だが、これだけではないから書かせてもらっている。ここに記している、伊⾹賀守、彼⾃⾝の⾔葉が成⽴するには、かけがえのない要素、これが無ければ意味が無いというものがあるのだ。それは、主催者の熱い思いを汲み取って⾜を運んでくれるオーディエンスが素晴らしいからこそ。それがあってこそのフェスであるということだ。いやはや、そんなの何処のフェスでもそうでしょう?と突っ込まれる可能性⼤であるが。14 年間参加させてもらっている輩として、本気でそう思うので純粋に語らせてもらってます。

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​DJ HAGA

開催を重ねるごとに、様々な魅⼒的なアーティストや出店ブース含めて、変化をし続けているが、「GFB -つくばロックフェス-」に参加しているオーディエンスからは常に笑顔が溢れかえっていること。こんなことだってどこのフェスでも当たり前でしょ?と思われるのだが、14 年間あの場に祝祭空間に参加させてもらいつつ、かつ、オーディエンスとしても客観的にこのフェスを体感している⼈間として、そう思うのだから信じて欲しい。⼀⼈⼀⼈の笑顔、⼀⼈⼀⼈の歓び、⼀⼈⼀⼈の興奮が、ありありと⾒えてくる。全ての場所で幸福を感じとれるのだ。だから僕はいつも開催前に、参加するみんなに、SNS 上で、こう⾔い続けている。

「⾳の鳴るあの場所で会いましょう。絶対に楽しいから」と。 

フェスとは、まず、⾳が鳴る場所で楽しむことが最⼤の歓びである。その歓びをより増幅させるために、伊⾹賀守は、1 年間かけて⾳が鳴り続ける様々な現場に⾜を運びつつ各種イベントを開催しながらこのフェスの為に最⾼のアーティスをブッキングする。その過程を通して様々な障壁を毎年乗り越えてフェスを開催する。これも当たり前のことだと思われるが、この労⼒全てをオーディエンスのために。オーディエンスが主役であるフェスとして成⽴させることを⽬指しているからこそ、「GFB -つくばロックフェス-」が他のフェスとは違った多幸感溢れるフェスになり、⾜を運んでくれたみんなが満⾜してもられる場になっていると⾔っても過⾔では無い。振り返れば、コロナ渦真っ只中でも、あらゆる⼿段を駆使して歩みを⽌めず開催を続けたこと。その熱意は、⾳楽を鳴らすことを⽌めることでオーディエンスの歓びを奪うことになるという、確固たる信念がそうさせたのではないか。主役はあなたであるという思い。これが「GFB -つくばロックフェス-」全体の通低⾳として⼼の繋がりとして響き渡っているからこそ、最⾼のフェスになっているのだ。そして、14 年間、⾛り続けられたのではないかと思う。

14 年間、どれだけのアーティストが参加し、どれだけのオーディエンスが参加し、どれだけのスタッフ・関係者が携わってきたのか計り知れないが、この「GFB -つくばロックフェス-」を通じて、⾳楽を介して関わったみんなが、何かしらの幸せを掴み、⽣きる事の何かに影響を与えられることがあったのならば、きっと、伊⾹賀守も満⾜であるだろう。いや、主催者の満⾜感が全てでは無い。場を創り上げる主催者がいなければ成⽴しないのがフェスではあるが、あの場に集う全てのみんなが主役にならなければフェスは成功しないからして、改めて思う。14 年間。歩みを⽌めることなく続けて来られたのは、⾳楽の魔法が、神様が、このフェスにきっと微笑みかけ続けているからでは無かろうかと。そうなることを可能にさせてくれるのがこの「GFB -つくばロックフェス-」というものなのではないだろうか。⼤袈裟かも知れないが、そう思うしかないのである。思えない⼈もいるかも知れないが、少しでもそう思える、ちょっといいかもしれないなって思えるならば、15 年⽬となる「GFB -つくばロックフェス-」に、ひとりでも多く⾜を運んでくれれば、本望です。

絶対に楽しいからね。

​保坂壮彦

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GFB会場のつくばねオートキャンプ場

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GFB‘23(つくばロックフェス)
[日時]
2023年7月15日(土)~17日(日)3日間
※雨天決行、荒天の場合は中止
開場/開演 10:30 
[会場]
つくばねオートキャンプ場 
(〒315-0155茨城県石岡市小幡2132-14TEL 0299-42-2922)
[料金]
【茨城券】
1日券¥7,000
2日通し券前2日(7月15日、16日)¥13,000
2日通し券後2日(7月16日、17日)¥13,000
3日通し券  ¥19,500
【一般券】
1日券¥7,500
2日通し券前2日(7月15日、16日)¥14,000
2日通し券後2日(7月16日、17日)¥14,000
3日通し券  ¥21,000
※高校生以下入場無料

[チケット販売]
イープラス  https://eplus.jp/sf/word/0000035791
茨城券販売(県内販売店)

[出演] 
7月15日
eastern youth
SuiseiNoboAz
MOROHA
MASS OF THE FERMENTING DREGS
DENIMS
鋭児
NIKO NIKO TAN TAN
LAUSBUB
グソクムズ
downt
Summer Whales
Luminous101
クリトリック・リス
SENTIMENTAL OF YOU

(DJ)
保坂壮彦
ヒサシtheKID(THE BEACHES)
HAGA

7月16日
OGRE YOU ASSHOLE
ドミコ
DYGL
MONO NO AWARE
No Buses
椅子樂團(The Chairs)
浪漫革命
Newspeak
ザ・おめでたズ
MARQUEE BEACH CLUB
YAJICO GIRL
maya ongaku
Khaki
inweu

(opening act)
yaora

(DJ)
星原喜一郎(New Action!)
遠藤孝行(New Action!)
YIYI

7月17日
スチャダラパー
サニーデイ・サービス
YOUR SONG IS GOOD
崎山蒼志
Homecomings
TENDOUJI
Laura day romance
Keishi Tanaka
チーナ
Summer Eye
台風クラブ
ゆうらん船
離婚伝説
BEAST WARS

(opening act)
Johnson KOGA

(DJ)
片山翔太
bzktym

3日間DJ
minisky
yusk


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